5月25日「フェアトレードの可能性~理不尽な世界で楽しく前向きに生きる~」 NICにて 55名参加

5月フェアトレード月間、締めくくりは、今年2013年4月に仙台から甲府に事務所を移した、パレスチナオリーブの代表、皆川万葉さんをお招きして、公益社団法人名古屋国際センター(NIC)5階 第一会議にて55名の参加のもと「フェアトレードの可能性~理不尽な世界で楽しく前向きに生きる~」と題して講演会を開催しました。

共催;(独)日本貿易振興機構名古屋貿易情報センター・フェアトレード名古屋ネットワーク(FTNN)

皆川さんは、1998年から仙台でパレスチナ地域のオリーブオイルやオリーブ石けん、刺繍製品などをフェアトレードで輸入、全国に販売。毎年生産者を訪問し、通信「ぜいとぅーん」などで現地の人々の生活を伝えています。

パレスチナオリーブ代表 皆川万葉さん

パレスチナについて何も知らない状況のなかで、10年ほど前に皆川さんに名古屋にも来て頂いてお話を聞く機会をつくり勉強しました。(なふたうんの母体GAIAの会にて)

「ジェニン・ジェニン」「ルート181」「パラダイス・ナウ」「ビリン村….」「約束の旅路」「沈黙を破る」「壊された5つのカメラ」など映像を通して、また講演会などで話しを聞き、少しづつ知るパレスチナの人たちの現状は、まさに理不尽な世界に生きる人々。

今回は、皆川さんご自身が3・11の被災者であり、同時に被災者の支援をしながら、フェアトレードの仕事をしながらというここ2年のできごとを振り返っていただきました。

皆川さんは語ります。

いままで自分は社会的弱者になったことはなかった。日本でもいろいろな問題はあるが、震災でその立場になるとは今まで一度も思った事はなかった。非日常が日常になっていく姿はパレスチナの状況と同じ。

2年たって、被災地ではDV・児童虐待・アルコール中毒・精神疾患すごく増えている。見えないところに暴力がでる。

パレスチナでも、イスラエル軍の暴力に対して子どもたちを守れない、仕事もないという状況のなかで家庭内暴力がおきている。

弱いところ、家庭内に、目に見えにくいところにはき出される暴力がある。

パレスチナでいままで聞いて来た言葉が腑に落ちた。「先が見えない」「話す事がつらいけれど話さなければ、丁寧に丁寧に話さなければ伝わらない」など。

在日のおばあさんからもその話はありました。ちゃぶ台をひっくりかえしても何も伝わらない。

皆川さん自身、書きたくない、伝えたくない、でも伝えなければならないという葛藤があったそうです。

パレスチナ問題は、宗教の問題ではないと前置きして、エルサレム聖地にはキリスト教・イスラム教・ユダヤ教という3つの聖地があり共存してきたことを示していると説明がありました。

交通機関はバス・ミニバス・乗り合いタクシーが中心。 ラマンダ~ナブルス間の約30km、普通は車で1時間弱のところが、道路が破壊されて、検問所が無数にあり、封鎖されていることもある。

狭い西岸地区でも数百以上の検問所がある。行って見なければ検問所が開いているかどうもかわからない。行けるところまで行って、歩く。半日以上かかった。

抜け道抜け道を通らなければならない。 このような状況は車椅子、病人の人もいるので大変だと思う。

2003年妊娠6ヶ月の時、ナブルスの検問所で止められ、結果的に山越えした。今ならそんなことはしなかったと思う。

外出禁止令一週間に外出OKの3時間で、その時は町中の人が繰り出す。外出禁止令中は、戦車がはしりまわっているから外へは出られない。 戦車の動きは、建物が動いている感じで、まわりのものが壊れる。

道路に土砂を置く。そんなこともある。 今はその道路事情や検問所の情報を、インターネットで情報共有するという時代にもなった。

8mの壁が、自分の家の前にでき、しかも畑がその分離壁の向こうにあるという現実は想像すらできない。そん話も聞きました。

パレスチナの状況説明のあと、フェアトレードの生産者の変化と模索をフェアトレード・ティータイムと、バケットにオリーブオイルをつけての試食をしながら後半に移りました。

 

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