名古屋をフェアトレード・タウンになるための条件のひとつに障がい者支援などのコミュニティ活動と連携する項目があります。フェアトレード・ショップ風”sは長年のおつきあいです。
年の初めに振り返ってみると20年ものおつきあいの名身連第2ワークスやわっぱん。ヨナワールド・からし種はその施設が生まれるときを知っています。からし種は、ランチにフェアトレードのコーヒーをメニューにいれています。守山の白沢作業所は、木製のおもちゃが人気、今年のお雛さまもフェアトレード・ショップ風”s(ふ~ず)正文館店に並びます。とべ工房では、フェアトレードのオーガニックタオルにアップリケをあしらい園児エプロンを制作していただきました。
わっぱんでは、フェアトレードの材料を使ったクッキーが定番人気。パプアのカカオニブクッキーやネパールのジンジャーを使ったジンジャークッキーを3月のホワイトデーでも是非ご利用ください。
社会福祉法人名古屋市身体障害者福祉連合会・名身連第2ワークス★
NPO法人わっぱの会★
社会福祉法人さふらん・ヨナワールド
特定非営利法人からし種
社会福祉法人あさひ会白沢作業所
特定非営利活動法人TOBECとべ工房
社会福祉法人名北福祉会茶房ぼちぼち・めいほく鳩の岡カフェ★
★印は、「スレイブ(奴隷)・フリー」のフェアトレード・チョコ扱っています。
******以下にフェアトレードと作業所との関わりの意味のコメントを紹介します。*****
社会福祉法人 名古屋市身体障害者福祉連合会 事務局長 谷川 陽美
フェアトレードとの出会い
1997年(平成9年)秋
当時、名身連第二ワークス(旧身体障害者通所授産)の施設長だった私は名古屋市女性会館で開講されていた、「働くとは」という講座に参加した。参加理由は、私自身が障害のある人の働くを支援しつつ、女性として自らの働く意味について考え模索していたからであった。その講座はリレースタイルで、大学の教員から女性の働くことについての社会状況や今後の課題などの話しに始まり、女性の起業家の話し等々様々な立場の女性から働くことについての講義があった。そしてその講師の中の一人に、フェアトレードショップ「風”s」の土井さんがいた。
土井さんが、フェアトレードに関わった経緯から開業に至るまでの話しがあった。特にフェアトレードの話しでは、貧しい国の人々に支払われる賃金が公正な賃金でないことや、そこに住む人々が少しでも自らの能力や文化を活かして自立するため、良質な商品を生産できるような支援があることを知った。
その話しを聞きながら、私は障害のある人が働く障害者施設とフェアトレードが支援する人々の働き方に共通するものを感じた。なぜなら障害者支援施設が障害者の自立を目的に作業支援を行なっているにもかかわらず、作業の中で請け負っている「軽作業」の多くは単価が安いものが多く、本当に公正な単価なのだろうかと常々疑問に感じていた。しかし一方で、仕事がないからという理由で請け負わざるをえないというジレンマに悩んでいた。その結果、自主製品を開発し、良い物を適正価格で販売したいと考えていたため、まさにフェアトレードの取り組みと共通する点が多く良い刺激をもらうこととなった。
支援される側から、支援する側にまわれるのではないか
私たち障害者施設は多くの方々に支えられている。また、そこで働く障害のある方も地域でのサポートをたくさん受けている。いつも支えられる側の立場の私たちにも何かできることはないか、支える側になれないかと常日頃考えていた。人は支え、支えられているものだと思う。そんな時第二ワークスでのフェアトレード商品の店頭販売を考えた。第二ワークスは、名身連福祉センター内にあるため、この福祉センターには多くの市民が研修会や会議などで集まる。そこでフェアトレード商品を販売することは、フェアトレードを啓発し販売手数料の一部もいただけ、対等な関係性も保たれる。
そして、その精神は私が異動で施設長でなくなった今も引き継がれている。そして、現場の担当職員もこれまで異動等で何人も変っているが、その人なりの思いや土井さんの後押しもあり、今も第二ワークスでのフェアトレード商品の販売は代々受け継がれている。つまり福祉に関わる私たちの思いと、フェアトレードに関わる人たちの思いには、共通する部分が多くあるのだということが、2017年の今なお継続できている要因の重要な要素だと思う。