■9月19日フェアトレード・タウン名古屋認定までのあゆみ
1999年 藤前干潟の埋立計画中止 ごみ非常事態宣言発表
2005年 愛・地球博(愛知万博)開催
2010年 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)開催
2014年 ESD(持続可能な開発のための教育)ユネスコ世界会議開催
2015年 フェアトレード・タウン名古屋誕生
【名古屋市環境局環境企画部環境活動推進課作成のパンフレットより】
■名古屋市の宣言文
フェアトレードの理念の支持に関する決議
世界経済のグローバル化が急速に進展しているが、その負の側面として、貧困や経済的
格差の拡大といった地球規模の課題が深刻化している。
フェアトレードとは、一般に、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入す
ることによって、開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指すものであると言
われており、その理念は、国際貢献や人権の尊重などに資するものである。また、フェア
トレードの普及活動を通じて、交流の促進やにぎわいの創出にもつながるといった側面も
ある。
日本では、近年、フェアトレードについての認知度が上がってきたものの欧米諸国など
と比較すると依然として低い状況にあると言われており、フェアトレードの理念について、
より一層広く理解される必要がある。
よって、名古屋市会は、ここにフェアトレードの理念についての理解がより一層広がる
ことを望むとともに、フェアトレードの理念を支持することを表明するものである。
以上、決議する。
平成27年3月10日 名 古 屋 市 議 会
■宣言後のフェアトレード名古屋ネットワーク(FTNN)の活動
・2016年1月14日~2月14日フェアトレード・バレンタイン2016もうひとつのチョコレート展 in なごや 2016名古屋の30カ所の会場でフェアトレード・チョコレートを販売し、パネル展示を巡回
・2016年 5月7日
5月世界フェアトレード・デー・なごや2016 フェアトレード・コーヒー・サミット in
Nagoya フェアトレード・マルシェ同時開催 会場:名古屋テレビ塔〜久屋大通公園
・5月に名古屋市小学校給食にフェアトレードのゴマが12万食に登場
・6月「世界と⽇本のフェアトレード」6⽉15⽇〜20⽇ 会場:名古屋栄三越7階催事場
・9月2日 フェアトレード名古屋ネットワーク臨時総会にてNPO法人立ち上げ予定
■名古屋市から愛知県へフェアトレード運動の広がり
愛知県東大手庁舎1階あいち環境学習プラザにて、2016年3月より1階の展示コーナーにてフェアトレード展示を毎月テーマを決めて展示。また愛知県環境部環境活動推進課環境学習グループ主催「夏休み! あいち環境学習講座」に名古屋をフェアトレード・タウンにしよう会(なふたうん)はオリジナルの国際理解教育参加型ワークショップ「チョコレートの来た道」を開催(通算74回目)、愛知県の職員も参加「子どもたちが真剣に聞いていたのが印象的」とコメントあり。
2017年1月13日(金)から2月12日(日)まで開催する東海三県一市グリーン購入キャンペーン実行委員会主催のキャンペーンの協力依頼があり、愛知県西庁舎10Fの愛知県生協売店にてフェアトレードのキャンペーンを企画中。
■名古屋のフェアトレード・タウン活動の源泉は若人の活動
・名古屋は、高校生が元気です。その元気な高校生の活動が「考えよう!やってみよう!フェアトレード 全3巻」彩流社発行のシリーズ3で愛知県立南陽高校と愛知県立愛知商業高校が紹介された。2016年5月15日公益財団法人名古屋市国際センター(NIC)後援、なふたうん主催でこの校2校の高校を含めて名古屋市とその近隣の高校・大学のフェアトレード・サークル12校参加で「フェアトレード・タウン名古屋を動かす!元気な若者たちのスピーチ」を開催。参加者は中学生8名含み発表者含め総勢50名で開催。いままでに機会のなかった学生同士のつながりを持ち大いに刺激しあった。
・2016年8月9日10日の2日間「世界一受けたいフェアトレードの授業~若者のための夏期集中講座~」を公益社団法人愛知県国際交流協会(AIA)となふたうん共催で開催。参加者は中学生・高校生・大学生他22名(なふたうんのブログ参照)。
内容についても食のコーヒー、チョコ、バナナ・衣類・雑貨にわたり、単にフェアトレードの講義を聴くのではなく、カレーづくり・チョコづくり・刺繍などの体験と、受け身で終わらない参加型ワークショップ国際理解教育による講座をおり混ぜた内容。(なふたうんの国際理解教育の活動については「2013開発教育60特集:学びとしてのフェアトレード」DERE参照)
なふたうん独自の追加プログラムとしては、部活として「よさこいを踊る」「ライア(竪琴)を弾こう」「自然農を学ぶ」の講座を企画、夜の講座は「教えて!フェアトレードを始めた訳?」と題して、受講者に近い青年の海外青年協力隊からフェアトレードの起業をしたアフリカ工房の前田大蔵さんの話と、後半は中部地区で初めてフェアトレード専門店を開いた土井ゆきこによる「普通の女の子が48歳でフェアトレード・ショップを起業した訳?(詳しくは2013年12月「月間みんぱく」)、人の生き方講座で21時に1日目は締めくくった。
また食に関しては意識して「オーガニック」にこだわり近代農業と有機農業の違いも伝え、お弁当もネパールのフェアトレード・カレー作りの材料も有機栽培の食材を利用。食べることは命を食べる事ゆえにこだわった。
2日間のまとめとしてワークショップで「すぐやること」「5年後にやること」「10年後にやること」を「私」と「皆で」という項目に書き込み。今の思いを書き留める作業で行動へ移すことを期待、2016年3月からスタートした、月1回第4土曜日に愛知県国際交流協会にてフェアトレードに興味を持つ若者たちの出会いの場、「ナゴヤFTユースチー夢」への新たなる参加を呼びかけた。
・8月25日愛知県立名古屋聾学校で「フェアトレード・ネパール」の企画を生徒二人が企画、ブース出店他、歌や踊り、ネパールの聾学校の紹介写真展などが多彩な内容。健聴者に自分たちから積極的に働きかけるという思いで各学校やショップに呼びかけ出店依頼をする行動を起こした。きっかけは、2015年10月に中部フェアトレード振興協会となふたうんが主催したネパールの生産者を招いての講演会に聾学校の生徒二人が参加したことに始まる。聴覚障がいをもった生徒がフェアトレードを通じて、他の学校の生徒たちとも交流し初め、11月6日の名古屋市消費生活フェアの「なごやHAPPYタウン~こどものまち~」でのフェアトレード・ブースにも参加予定。
■フェアトレードは生き方を学ぶこと
フェアトレードは単にもう一つの貿易、経済の仕組みの問題にとどまらない、若者がどう生きて行くかの道を考える材料と思っている。
「途上国を援助する前に国内のことをしたら?」というような話はよくでます。実際そうです。まずは身の周りのことに目をむける事が大切です。しかし、現実は自分のことだけで精一杯、身の周りのことに目がいかない。でも地球上の出来事に視野を広げることにより、自分の立ち位置が見えてくる。その位置からどの方向へ歩いていくのかも見えてくる。フェアトレードは、日々の買い物する品から世界が見えてくる。消費者である私たちの安いものを追い求める行動が、その生産者たちの貧しい生活を生み出し、児童労働のような過酷な世界が見えてくる。思いを馳せ、どうしてそうなるのだろうと考え、行動に移しはじめる。一歩あるきだしたらそれは人権問題や環境問題だけに収まらず、ジェンダーのこと、文化のこと、食や農業のことなど関心事は増えてゆく。そして身近な問題、過疎化する村・子どもの貧困・日本における人身売買などにも気づき始める。そのきっかけをつくる一つの有効な材料がフェアトレードだと思う。どうしたらみんなが幸せに暮らせるだろうと考えることで、自分の幸せにもつながっていくことに気づくことでしょう。フェアトレードは平和にもつながると思うのです。
■過疎の村のお寺の縁日で、ふと出会った途上国のような風景
ナビでしか行けないような山の中、その過疎地帯に住み込みはじめた若者たちの住職もいないお寺での手づくり縁日。若者たちがいっぱい、子どもがいっぱい!もちろん地域の年配の人たちもまざって流しそうめんやかき氷を売っていた。 まるで途上国へ行った感じの雰囲気。日本の古き良き時代の風景。お寺の廊下が舞台、歌いながらウクレレを弾く女の人の背中には赤ちゃん、合唱団を指揮する女性も、背後から赤ちゃんを手渡されても「ほい」と受け取ってそのまま指揮。
手作りクッキーやピザ、もんぺ、アクセサリーなどを売る人も買う人もみんな仲間って感じで山のなか、楽しい縁市、ここへ集う人は、きっとフェアトレードなんて当たり前、有機農業なんて当たり前だと思う。私にとってこの光景は夢の中の世界のよう。山また山ん中のできごと。途上国の人々、先住民の人々を見て学ぶことができるフェアトレード。今の暮らしに疑問をもち、人間も自然の一部だという謙虚な気持ちをもつ、農業の大切さ目覚めた若者たちに期待したい。