「映画」が伝えるもの、「映画」で伝えたいもの
人が人を人として生きることを奪う時代があった。 そんな時代、戦争をしていた日本があった。今も違う形で同じことがあると思う。
どちらも一人一人が、人としての存在を尊重して生きるとしたら、奪う事はできないはず。
2011年19・20日と「第12回人権を映画で観る」上映会がウィルあいちで開催されました。
私は、「クロッシング」2008年韓国、「母べえ」2008年日本の2本を観ました。
「クロッシング」ストーリー:北朝鮮のある善良な一家におきた悲劇を描いている。病気の妻のため、命がけで脱北を試みる父、その帰りをひたすら待ち、幼いながらも病気の母と家を守ろうとする息子。その大きな試練にとって、彼らはあまりにも無力すぎる。だがそれでも男たちは諦めず、自分ではなく家族のため、自らにできるすべての事をする。
「母べえ」ストーリー:世界情勢が緊張を帯びてきた昭和15年。ドイツ文学者の父・滋(坂東三津五郎)が、反戦を唱えたとして逮捕されてしまう。悲しみにくれる母・佳代(吉永小百合)と2人の娘(志田未来、佐藤未来)だったが、父の教え子や親類、近所の人たちに支えられ、明るく力強く生きていこうとする。
人が人として生きていくうえに、大きく立ちはだかるものがあるのは、永遠のテーマなのだろか? 時代時代によって違う立ちはだかるものに対して、一人一人の力は無力なのだろうか?
時間をさかのぼり過去から学び、視野を広げた世界から学び、今立っている自分の世界を時に確認してみてみる。「私に出来る事はなんだろうか?」
そんなことを考えさせられた2日間でした。だから映画は素晴らしい! ちょっと立ち止まる時間を提供してくれる。国際理解のワークショップもそうです。非日常がそこにあり、ふるふると自分をゆさぶり、立ち直ります。
またふんにゃりしてしまうけれど、みんなの力で立ち直る事ができます。一人では何も出来ない。それが人だと思う。そのつながりで私たちは生きている。そんなつながりを持つ世の中にしたい。フェアトレード・タウンというひとつの運動を通して、希望を持って「私にできること」をしてゆきたい。
PS,野上照代さんは、毎年9月に開催される「あいち国際女性映画祭」に参加されています。15年にもなります。ウィルあいち1Fの風”sへも毎年顔を出してくださるので、お馴染みさまです。その彼女の原作の「母べえ」をやっと観る事ができました。人として生きることって大変だな~と思いました。辛いです。知っている人がその主人公家族の一人だなんて。素晴らしいご両親や周りの人がいて今がある野上照代さま、毎年9月に会えることを楽しみにしています。 土井ゆきこ