貿易の実情~先進国のコットン生産者への補助金制度~
Fairtrade Label News!2010年11月30日より
トピックス ~先進国のコットン生産者への補助金制度~
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世界で最も利用されている天然繊維であるコットン。その世界貿易の裏には、先進国による自国のコットン
生産者への多額の補助金がもたらす歪んだ構造があることは、フェアトレードに関心のある方々であればす
でに存じでしょう。今月、イギリスのフェアトレード財団(FLJと同様、FLOの構成メンバーとしてイギリスでのフ
ェアトレード認証ラベル推進を担う組織)から、その補助金の実態に関するレポートが発表されました。
現在、国際市場においてコットンは1ポンド(約454g)あたり1.62 USドルで取引されていますが、その価格を上
回る1ポンド2.51 USドルもの補助金が、EUからヨーロッパのコットン生産者に提供されているというのです。大
規模なコットン生産国であるアメリカでは、自国のコットン生産者およそ25,000人に対し244億5千万USドルもの
補助金が拠出されています。こうした先進国の多額の補助金制度により世界のコットン価格は低く抑えられ、
この40年でコットンの価値は半分近く下落したと言われています。途上国のコットン生産者は、利益どころか生
産コストすらまかなえない状況に陥っています。
西アフリカのベナン、ブルキナファソ、チャド、そしてマリでは、およそ1,000万の人たちがコットン生産から生計を
立てているほど、コットンは重要な収入源となっています。これらの国々はいまだ最貧国から抜け出せず、経済
的に厳しい状況に追いやられたままです。
途上国の貧困を悪化させるこうした先進国の補助金制度を無くそうと、フェアトレード財団では現在、イギリス政
府およびEUへの働きかけを進めています。個人としてもメッセージを送ってアクションに参加することもできます
ので、下記リンクでチェックしてみてください。
フェアトレード財団の英文レポートはこちら
http://www.fairtrade.org.uk/includes/documents/cm_docs/2010/t/the_great_cotton_stitch_up.pdf
フェアトレード財団のキャンペーン(英文)
http://www.fairtrade.org.uk/products/cotton/take_action.aspx