仲田 宏 写真展 貌 Animals -東山のサルたち― 11月28日(日)まで

仲田さんのウィルあいち展示室での写真展は、今回で2回目

ウィルあいち1F展示室9時~21時まで(最終日は17時)

サルs

  Animals -東山のサルたち―

  この数年、正月に家族で動物園に行くことが恒例になっています。孫たちがまだ小さく、彼らが興味をもてる場所を考えてそのようになったのではないかと思うのですが、そうして動物たちに対面しているうちに写真を撮ってみようと思い立ったのでした。

  撮りはじめて、その相貌に深く魅せられました。本来の野生の場から切り離されているのですが、象とか犀とかゴリラとか頭の中に描く概念的姿形ではまるで見えなかった、「存在」の重さが眼の前にありました。彼らは我々も生きるこの地球が遥かに長い時間の堆積の中で創出した生命であるということが、ずっしりと伝わってきます。それは「何のため」とか「誰のため」とかいう、予定調和を前提とする人間的思考とは無縁の、前提条件なしの「此処に在る」という姿です。

  動物園では彼らは、檻あるいは限られた空間に閉じ込められています。本来その生息地での野生の姿を見るべきなのでしょうが、しかし、彼らを見つめているうちに、私はその姿に威厳を感じはじめていました。

  その感覚は彼ら生きものに向けてと同時に、このような生命を生み出した地球に対してのものでもあるようです。彼らを通して、あらためて地球上のさまざまな場所に想像力を巡らせるとき、億年の大地のダイナミズム、私たちの視力を超えた時間の堆積層を前に、自身の卑小さを思い知らされます。 そこに、テレビ画像で目にした月を周る人工衛星「かぐや」からの、孤り宙に浮かぶ青い地球の姿を重ねてみるのでした。

   そして、あらためて私たちのために、あるいは私たちの所為で「動物園」に身を置いている彼らに敬意を懐きました。いつまでも、子供のように素直な驚きと畏れと親しみの心、レイチェル・カーソンが言う「センス・オブ・ワンダー」をもって、彼らに言語ではない語りかけの心を忘れずにいたいと思うのです。そのようなことを思いながら撮らせてもらった写真の中の、「サルたち」の貌の記録です。東山動物園にいるアニマルたちの一部に限られてしまいましたが、彼ら「此処に在る」ことの相貌を、一瞬の静止画像にどれだけ映しとれているか心もとなくもありますが、虚心にご覧いただければ幸いです。

                                                                                                                                                                          2010年 11月 17日

                                                                                                                                                                                                                  仲田 宏

★プロフィール

仲田 宏(66歳)

1943年、名古屋市生まれ

1962年、名古屋学院高等学校卒

1967年、早稲田大学文学部仏文科卒

   卒業後、名古屋市内会社勤務

   1985年頃より趣味の陶芸をはじめる。

   1995年、第4回陶芸ビエンナーレ‘95グランプリ受賞

   その他、朝日陶芸展‘94&’95、国際陶磁器コンペティション美濃‘95、第5回陶芸ビエンナーレ‘97 入選

   2000年頃から、デジタルカメラにより趣味の写真をはじめる。 (無所属、独習にて)

コメントは受け付けていません。

Search
Archive