グローバリゼーション(経済の地球規模化)の負の側面の象徴

2007年1月29日の毎日新聞より
自国農業保護 続ける先進国~途上国同士で輸出競争

インド農業が抱える問題は、90年代以降米国主導で進んだ貿易自由化や多国籍企業による世界支配といった「グローバリゼーション」の負の側面を象徴している。

「借金の原因ははっきりしている。一つは多国籍企業が持ち込んだハイブリッド種や化学肥料、殺虫剤で営農コストが増えたこと。もう一点は世界貿易機構(WTO)主導の貿易自由化で農産物の価格が下落したことだ。」マハラシュトラ州農民連盟会長、ビジャイ・ジャワンディアさん(59)は強調する。

営農コスト増大は80年代から始まった。生産拡大を目指して最初は殺虫剤や化学肥料がインドに導入され、90年代にはいるとハイブリッド種が持ち込まれた。種子は以前は農民が前年度収穫したものを使用していたが、今では大部分が種苗メーカーからハイブリッド種を購入するようになった。

一方で綿花の国際価格は90年代半ばから下落し始めた。86年に始まった貿易の自由化を目的としたWTOの前身、ガット(関税貿易一般協定)ウルグアイ・ラウンドで、農産物の輸出拡大を目指すインドは先進国の農業保護政策を批判し、農業の自由化を強く求めた。

同ラウンドは、94年に先進国が農業保護策を撤廃することで合意した。本来なら合意はインドに有利に働くはずだった。「だが、実際には逆のことが起きた」とジャワンディさんは指摘する。
先進国の農業保護策は実質的には廃止されず、米国などでは今も農家への補助金が存続する。その一方で貿易は自由化され、途上国同士の農産物の輸出競争が激しくなった。

「いずれも農産物の国際価格の低下に結び付き、結局ウルグアイ・ラウンドいは貧しい途上国の農民の首を絞めた」

インド科学技術エコロジー財団のバンダナ・シバさんは昨年(2006年)5月「WTOや世界銀行に強制され、農業を大規模な企業、工業的農業に変換しようとするインド政府の政策が農民を自殺に追いやっている」との声明を発表した。
政府に貿易自由化を急がないことや、多国籍企業が独占する遺伝子組換種子のインドへの導入を中止するよう強く訴えた。……中略…..

「このまま農民を軽視した政策を続ければ農村は破たんし、膨大な数の農民が都市へ流出する。それは決して国全体の発展にプラスにならない。…以下略…..」2007年1月29日の毎日新聞より

★これは、日本でもいえることですね。

途上国では、農村で生活出来なくなった人たちが、フィリピンではゴミの山で暮らしたり、バングラデシュでは衣料工場で過酷な労働のもとに若い女性たちが働いたり、農村で暮らせなくなる経済構造をつくり、その先はその人達の労働力を吸い取る、先進国の私たちの暮らしを見直さなければ、環境も人権も守られる人の世ではない。

農業を大切にしない国は発展しない→衰退します。体も心も国も。
もうひとつのグローバリゼーションを目指したい。

★★★★★お知らせ★★★★★
オーガニック栽培に転換した現地のコットン農家の生活の変化や、フェアトレードがもたらす変化について報告します。 「風のたより」 参照ください。************************************************
『フェアトレードとオーガニック・コットン(OC)*の話~インドより来名~』

インドで年間6万の自殺者。ほとんどがコットンの農民です。インドはもともと自然のものを作っていました。その昔からの農法が、「緑の革命」と名を打ち、生産性を高めようと化学薬品・化学肥料に依存する農業に変わりました。政府からも支給されていましたが、途中から支給がすくなくなっても、1回使ってしまうと抜け出せなかった。・・・私たちがオーガニックコットン(OC)を選択することで変わるインドのコットン畑…..地球環境・児童労働につながる話です。

インドのグジャラード州にあるアグロセル(AGROCEL)は社会的に立場の弱い小規模農家を支援する団体。プロダクト・マネージャーのサイレシュ・パテル氏がこのたび来名。

アグロセルは、この分野のパイオニアとして、インド全域11州に25のサービスセンターを持ち4万5000人の小規模農家をサポートする傍ら、フェアトレードの普及活動も行う。アグロセルでは、OC生産者個人を支援するだけでなく、利益を地域に還元し、学校の水道設備の建設、女性が収入を得るためのプログラムも行っています。

*オーガニック・コットン(OC)とは、3年間農薬や化学肥料を使わないで栽培された農地で、農薬や化学肥料を使わないで生産された綿花のことです。

【日 時】 2010年9月26日(日)14:00~16:00
【会 場】 ウィルあいち(名古屋市東区上竪杉町1)【会 費】 1000円(当日1500円) 定員40名 要申込み
【申 込】 お申し込み
      フェアトレードショップ風”s内
      名古屋をフェアトレード・タウンにしよう会  http://www.nagoya-fairtrade.net/
      土井ゆきこ 052-962-5557(T&F)(月休み)

コメントは受け付けていません。

Search
Archive