韓国初のフェアトレードスクール・大学が認定
韓国初のフェアトレードスクール・大学が認定
iCOOP Newsletter 2020年2月より
2017年に韓国で初めて仁川(インチョン)広域市と京畿道(キョンギド)富川(プピョン)市がフェアトレード(以下、FT)タウンに認定され、さらにその翌年にはソウル特別市が人口1千万人を持つ都市としては世界初のFTタウンに認定された。それ以来、韓国でもFTタウン運動が活発に繰り広げられるようになり、次いで、華城(ファソン)市、京畿道、河南(ハナム)市がFTタウンに選定され、宗教団体や企業も「韓国FTタウン委員会(Korea Fair Trade Towns Steering Committee)」による公式認定を受けた。
そのような流れの中、韓国初のFTスクールと大学が去年12月に生まれた。晋陽(チンヤン)高校と慶南(キョンナム)科学技術大学、全州(チョンジュ)大学の3校である。特にFT大学はFTの普及をリードする大学として、FTに関わるキャンペーンやイベントなどを実施することで学生たちに経済格差による不平等といった社会問題を解消する取り組みについての研究・教育活動を行わせる。イギリスの「オックスフォード・ブルックス大学」が初のFT大学として2003年に認定を受けている。
慶南科学技術大学ではFT講座を設け、在学中の学生はもちろん、地元の「真珠(チンジュ)iCOOP生協」、国営企業の「韓国土地住宅公社(LH)」、そして同じ時期にFTスクールとして認定された晋陽高校と共にFT委員会を結成し、FTの普及のために取り組んできた。また、昨年8月の夏休み中にはiCOOP生協のマスコバド糖産地であるフィリピンのパナイ島を学生たちで訪問するなど、地元の生協とも緊密に連携している。他にも市民参加型FTキャンペーンなどを実施するなど、キャンパス内外で多様な取り組みを進めていることが評価された。
全州大学は2018年12月にFT大学認定に向け、フェアトレード委員会を結成。FT製品の使用、教育、キャンペーンなどを実施した。2019年からは学部課程に社会的経済融合専攻を開設し、地域革新センターを設立して社会的経済運動に参画するなど、関連活動を積極的に展開した。
これで2020年1月の現在、韓国の認定FTタウン・コミュニティーは計11となり、その種類も広域・基礎自治体、宗教団体、企業、スクール、大学に広がった。
フェアトレードタウン委員会:http://fairtradetownskorea.org/
参考:http://www.eroun.net/news/articleView.html?idxno=9172