11月6日子どもHAPPYタウンに参加したH君からの感想

今回、オアシス21で開催された消費者フェアーのHAPPYタウンでのフェアトレード・ブース出店は、昨年秋にネパールの生産者代表の講演に参加してくれた聾学校の生徒さん二人と縁ができたので、販売のボランティアをお願いしました。以下感想が届きました。

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販売や接客(コミュニケーション)を学べて、貴重な経験になりました。
感想文が書けましたので、送付します。

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 フェアトレード・イベントに参加して、学んだことは2つある。

一つは、特に高価な商品は、PRを頑張らないと手にとってもらうだけで終わってしまうということだ。今回、お店では飲食物とペンケースなどの雑貨を中心に販売した。飲食物は、文化祭の駄菓子屋で経験したように、手にとってもらいさえすれば売れることが多い。しかし、雑貨類は例外だった。手にとってもらうことまではできるのだが、価格を伝えるとそっと机上に戻されることが多かった。

もちろん、フェアトレードというものがあるということを知ってもらえるだけでも価値はある。しかし、商品の魅力、使いやすさなどをアピールし、値段相応の価値があることを伝えることができていれば、そのうちの何人かは買ってくれたかもしれないと思うと、残念な思いがあった。私は、フェアトレード商品について多くは知らない。関わった経験の浅さを、ここで痛感した。

二つ目は、お客様の対応の仕方についてだ。見てきた中で、客は三通りいる。

一つは、興味を持って、ブースまで来てくれる人。一つは、興味がなく、目もくれず素通りする人。そしてもう一人は、興味はありそうだが、店舗まで来ず遠巻きに見ている人だ。参加者の流れを見ていると、遠巻きに見ている人が相当数いるように感じた。

そこで、私は自ら店舗の前に立ち、そういった人たちを中心に声をかけ、呼び込みをすることにした。すると、ほとんどの人が店舗の前に立ち、商品を見てくれるようになった。少しきっかけを与えることができれば、入ってみる勇気ができる。それは、ただ待っているだけでは起こらない変化だ。その変化のきっかけを与えることができたことは、私にとってお客様とのコミュニケーションの不安を取り除く、小さな自信となった。

また、今まで関わってくださった方のほぼ全員が、私達をろう者と認め、何かしら配慮をしてくださっていたということを再認識した。お店に来る方は全て、私達を健聴者だと思って話をする。

聞き返したり、ゆっくり話してほしい旨を伝えたりもしたが、中には、言っていることが全く分からず、iPadを使わないとコミュニケーションが取れない方もいた。人工内耳に慣れてきて、聞き取りは以前より向上したという実感はあったが、それでも普通の調子で会話をするには、まだ力不足だった。メモ帳やiPadを持ち歩くことの必要性の再認識、そしてもっと会話経験を積んで、人と話すということに慣れていきたいと感じるよいきっかけになった。

今回のイベントで販売をした経験を通して、また一歩自分の見識を広めることができてうれしかった。最初にお話をいただいた時、受けるかどうかとても迷ったが、思い切って受けてみて良かったと感じた。今回の経験を糧に、次回販売する時は、さらにフェアトレード商品の魅力を伝えられるようにしたい。

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