起業支援ネット会報誌「aile」Vol.96号のトピックスにフェアトレード・ショップ風”s(ふ~ず)正文館店の土井ゆきこが掲載されました。
起業支援ネット会報誌「aile」Vol.96号のトピックスにフェアトレード・ショップ風”s(ふ~ず)正文館店の土井ゆきこが掲載されました。空色曲玉の谷陽子さんも大きく掲載されています。
aileトピックスより記事掲載
【タイトル】
世界と出会い、地域とつながる
その楽しさを、フェアトレードを通して伝えたい
商品の生産国を訪れた時に見た、自然とともに暮らす人たちの力強さ。決して楽ではない生活の中から生み出された芸術の豊かさ。名古屋市東区のフェアトレード・ショップ「風”s(ふ~ず)」で、土井ゆきこさんのお話を聞きながら店内の商品を手に取ると、遠い国にいるはずの生産者の姿が生き生きと立ち上がってくるようです。
「風”s」がオープンしたのは1996年。愛知県の男女共同参画の拠点として開館した「ウィルあいち」の1階にお店を構えました。「フェアトレードについて学ぶうちに、フェアトレードとは『共に生きる』ことだと考えるようになりました。生産者と先進国の消費者、自然環境と人間社会、若者と高齢者、そして女性と男性…。異なる考えや背景を持つ人たちが、商品を通じてつながりあう。ウィルあいちという場所にもぴったりだと思いました。」
とはいえ、お店を持つのは初めてで、商品の仕入れ方はもちろん、レジの打ち方も知らなかったという土井さん。しかもまだ「フェアトレード」を知る人も多くはない時代です。「お店の経営と『フェアトレード』の啓発活動は私にとって両輪でした。」土井さんはウィルあいちという立地を活かして、フェアトレードに関する講演会や映画祭、やコンサートなどを開催。中でも土井さんが特に力を入れたのは、学校での教育活動です。これまでに小中高校中心に実施したフェアトレードを学ぶワークショップの回数は100回を超えます。「フェアトレードというと、国際協力や途上国への援助のためと思われがち。もちろんそうした面もありますが、本当に大切なことは、いま生きている世界に視野をむけ、自分の立ち位置を知ることにより、どう生きていきたいかを自分で選んでいくことです。」お店には、「フェアトレードを学びたい」「文化祭のバザーでフェアトレード商品を扱いたい」という相談や、卒論の取材などの学生たちが日々訪れます。あふれるモノや情報の中で揺れ動く若者たちが心惹かれるフェアトレードについて、土井さんの「知る・想像する・考える・行動するというメッセージ」が強く力づけているのでしょう。
しかし、今年度から施設管理者の変更に伴い「風”s」は急遽ウィルあいちを出なければならなくなりました。
すぐには移転先が見つからず、一時は店をたたむことも考えたそうです。そんな時、土井さんを動かしたのはやはり若い人たちへの思いでした。「店に来てくれる学生たちと語り合えるスペースをどうしても残したいと思いました。」そして、お客様からの紹介で同じ東区内の正文館書店の2階で、今年6月から営業を再開しました。
以前より広くゆったりとした空間の中、フェアトレード・コーヒーの試飲を楽しむこともできます。「前のお店は、ウィルあいちのイベントに来た時に寄る『お土産屋さん』という面もあったと思います。正文館書店は、大正七年創業の地域に根付いた店舗。「風”s」も、より皆さんの暮らしの中に溶け込んで、『いい品』を日々使ってもらえるお店にしていきたいですね。」
書店の中で営業することで、フェアトレード商品の隣に関連する書籍も置くことができるようになりました。ふらりと立ち寄って、思いもよらなかったような物語との出会いがあるお店。検索してワンクリックで購入する、インターネットショッピングにはない楽しさを味わってほしいと土井さんは考えています。
「フェアトレードを通じて、知らなかった地域の歴史・文化を知る。その経験は、自分の身近な地域や暮らしを見直すことにもつながります。正文館の近くには、商店街の方や高校生がミツバチを飼ってはちみつを作っていたり、オーガニックコットンで下着を作る小さな工場もあります。これからは、お店に地域の人の作った商品も一緒に置いていけたら。」たくさんの本と地域の人たちに囲まれたこの場所で、「風”s」は再び、新しい世界へとつながる扉を開いたようです。
【団体プロフィール】
◆フェアトレード・ショップ 風”s(ふ~ず)◆
名古屋市東区東片端町49(東片端交差点角)正文館書店本店 2F
営業時間:12時~18時 月曜休み
052‐932‐7373
huzu■huzu.jp(■は@)