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以下はメールを転送します。
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突然ですが、現在、ネパールはとても大変な状況です。
日本のメディアでは扱いませんが、ゴールデンウィーク真っ只中の
5月2日から5月8日までの1週間、マオイストによる
全国バンダ(ストライキ)で人々の生活が追い詰められていました。
5月8日、マオイストは会議でネパールバンダ中止を決定しました。
市民による平和ラリーなど、抵抗する人々が増え、各地で衝突も
起きていましたし、経済的にもこれ以上続けることは困難と判断したようです。
5月28日の制憲議会終了期限までにはまだ何らかの動きがあると思うので、
手放しでは喜べませんが、とりあえず、外に出られる、行きたい所に行ける
生活は戻ってきました。
ネパールの状況をお店の皆様と共有したく、以下、5月6日、
バンダの最中にスタッフ間で共有した、代表のメールを添付しています。
少し時間がたち、タイムリーにお伝えできずに申し訳ありません。
今も、次に何が起こるか、皆怯えながら暮らす日々は続いています。
少しでもネパールの状況が良くなること、祈っております。
どうぞ、お力をおかしくださいますようお願いいたします。
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日本のメディアでは扱いませんが、マオイストによる全国バンダで
人々の生活が追い詰められ、5日が経ちました。
これまでのバンダならバイクや自転車は通行できましたが、
今回はそれも許されませんでした。
しかも、店や事務所、個人宅を軒並み回って寄付を強要しています。
日中2時間くらい外出が許され、人々は食料品などの買い出しに向かいますが、
物価は恐ろしく跳ね上がっています。備蓄したくても連日30度を超す暑い季節
で傷んでしまうので大量にはできません。
マオイストが辞任を要求しているネパール首相はインドの強力な後ろ盾を得て、
一向に辞任する様子はありません。
地方から首都に呼び寄せられたマオイストや農民たち
(中には人数合わせのため、何も知らず連れてこられた人もいるようです)
は学校の校舎や大きな建物などに滞在しているようです。
学校を占拠された生徒、学生たちは学校に行けず、
卒業試験を控えた子どもたちは不安な中で暮らしています。
メーデーに全国から集まったマオイストは30万とも50万とも言われますが、
その後の街頭運動のために首都に残っている3万人近くの党員や農民たちの
食事代など毎日莫大な経費がかかるはずです。
仮に一人一日一ドル(約70ルピー)として、毎日3万ドルが必要です。
そのための寄付の強要ですが、金銭的に長期間耐えられるはずがありません。
(トマトが1キロ100ルピーもするそうです!)
日が経つほどマオイストにとって不利になると思います。
どこかでその劣勢を一挙に跳ね返すのか。
いつ何が起こるのか、皆、毎日怯えて暮らしています。
ネパールからのメールや電話から伝わってくる状況は
これまで知っている中で最悪でした。
シリンゲのコーヒーの有機証明取得もあと少しのところまできていました。
完二さんが必要書類をつくるため、NASAAとの膨大なメールのやりとりをして
書類審査を通り、今月中旬、やっと検査官が現地訪問をすることになった
矢先でした。
マハグティもマヌシもコットンクラフトも、他のところも製品を作れず、
作ってあったものも、運べないため出荷できません。
どこも以前なら、歩ける人は出てきて、戸を閉めてこっそり仕事をしていました
が、今回は見つかって襲撃されたところもあったので、皆、諦めました。
電気を使うと、灯りや発電機の音で仕事をしているのが分かってしまうので、
仕事にもなりません。
いつまで続くのか。
今回の事態は一旦終結しても、また直ぐに同様な問題が起きるにちがいないと、
皆、思っています。
20年ネパールに関わってきましたが、悪くなる一方です。
「何かできることがあったら教えて」と聞きましたが
「何もない」と言われました。確かに、何もできないかもしれません。
祈るくらいしか。
来月8日からネパールに行く予定です。
いくら対策を相談してもまた政治家たちに邪魔されるでしょうが、
諦めずに行って参ります。
2010年5月6日
土屋春代